片野万右衛門は、明治の木曽三川改修事業推進のため、治水共同社を創立し、初期取締役に就任した治水事業家である。この四間樋は輪中地帯の特色ある木造建造物で、輪中内の悪水吐きとの外水の逆流を防ぐ役割を果たす大切な産業建造物である。門樋建造に際し、万右衛門自ら画いた設計図で、完成までの行程を五図に細密な彩色図でまとめて
いる。本絵図は、輪中の特性を示すものとして歴史的・学術的価値の高いものである。