神明神社の祭神は天照皇大神である、「ぞうすい祭り」で親しまれている四郷神明神社は、神社明細帳に永正2(1505)年の創建とある。神殿は大槫川右岸堤防の高台に鎮座し、境内は水害時の助命壇である。この地は長良川と揖斐川を結ぶ大榑川の水難所で堤防守護の神を祀るにふさわしい所でもある。また、境内には、もと椋・松・杉・桧等の自生林があって、老大樹がうっ蒼と茂って、実に立派な社叢あった。それゆえ、この社はまさに神社の社格と古い歴史を物語って、社叢に対峙すると敬虔な気持を起こさずにはいられない。

この貴い文化財も、昭和34年9月の伊勢湾台風によって根こそぎいたみつけられ、その後、年を追って数多くの樹々が枯死していったのは残念なことである。今は、古木としては唯一本、樹齢500年といわれる目通り5mの椋(むく)の大樹だけがその名残をとどめている。